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『チームに大きな影響力持つ、米大学アメフトの後援会』

■概要

・ミシシッピ大のアメフト部で、有力選手に現金や自動車が支給されたり、テストの成績に関する不正が行われていたことが明らかになった。

・ミシシッピ大は過去にも同様の事件を起こしており、後援会が大きく関与するなど同大の文化的な背景に起因する。

・関係者の処分に加えて、後援会の解散も罰則として適用された。

■全文和訳

◎ミシシッピ大は、フットボールプログラムにおける制度をコントロールできていなかった

※2017年12月1日 出典:NCAA公式HP

ディビジョン1の違反委員会によると、ミシシッピ大学では制度のコントロールに欠けており、フットボールのリクルーティングにおいて後援者が関与する文化が根付いていた。有力選手に現金支給や自動車、宿泊、交通、食事、アパレルの使用などにより、およそ37,000ドルを支払っていたことを含む今回の違反において、6人のフットボールスタッフと、12人の後援者が関与していた。2人のスタッフは3人の有力選手に対し、テストの成績に対する不正を援助していた。

同委員会によると、ヘッドコーチがこの問題について監督ができておらず、彼のチームのスタッフが一連のリクルーティングに関する違反を犯すことを許容し、リクルーティングについて虚偽の情報を提出し、この違反を知りながら報告を怠ったことが分かった。

この場合の罰則には、3年間の保護観察が含まれる。保護観察とは、フットボールチームの2年間のポストシーズンへの出場禁止、罰金、奨学金やリクルーティングの制限、記録会への参加禁止、カンファレンスをまたいだ試合へのヘッドコーチの出場停止、オペレーションコーディネーターに対する8年間の罰則適用命令、一人のアシスタントコーチとアシスタントアスレチックディレクターに対する5年間の罰則適用命令、他のアシスタントコーチに対する2年間の罰則適用命令などである。罰則適用期間中に、NCAAに属する大学が人を雇用する場合、大学はそれぞれの命令の条項に従わなければならない。 同委員会は「この事件は、フットボールプログラムにおいて違反が許容されてきた大学の文化の結果であり、過去のミシシッピ大の似たような違反の事例を想起させる」と指摘した。

「今回は、ここ30年で後援者やフットボールプログラムを巻き込んだ3回目のケースである」と、同委員会は結論付けた。「ヘッドコーチでさえミシシッピ大学に来て、後援者たちが彼のプログラムに入り込んでこようとする"狂気"に驚いた」という。

フットボールのコーチングスタッフメンバーは、故意にリクルーティング違反を犯し、許可されていない後援者との連絡や接触の手配を行う不正を行った。具体的には、アシスタントアスレチックディレクターは、後援者が有力選手に13000~15600ドルの現金を与える手配をした。そこには、ある有力選手に対しての、宿泊や食事、交通費として支払った10000ドルも含まれている。加えて、アシスタントアスレチックディレクターは、聴取に対して虚偽の発言をし、誤解を招くような情報を提供した。あるアシスタントコーチやオペレーションコーディネーターも成績をごまかす手配をしたり、5人の有力選手に対して、競技に適正な資格をとるために必要な学業が終了するまでの間、後援者が住居や交通機関の提供を行う手配をしたりといった不正を行った。そのアシスタントコーチは非倫理的に行動し、調査の整合性を損なわせた。また、そのオペレーションコーディネーターは調査の間、複数の場面において、虚偽のあるいは誤解を招くような情報を提供した。

委員会によって課される罰則や矯正活動には以下のものが含まれる。

・2017年12月1日から2020年11月30日までの3年間の執行猶予

・5,000ドルと、3年間のフットボール部の平均予算の1%を算出した179,797ドルの財務的な罰則(大学の自主規制)

・2017年ポストシーズンの出場禁止(大学の自主規制)、2018年ポストシーズンの出場禁止。

・NCAA所属の大学が2017年12月1日から2018年11月30日の間にそのヘッドコーチを雇う場合は、2018年シーズンにおいては2つのカンファレンスをまたいだ試合では彼は出場を規制される。

・オペレーションコーディネーターに対する8年間の罰則適用命令。この間彼は、運動関連の業務についてはならない。もしくは、有力な学生アスリートやその家族に接触してはならない。

・標準化テストの成績の偽装と生活の手配を行ったアシスタントコーチに対する5年間の罰則適用命令。彼はこの期間に運動関連の業務についてはならない。

・その他の関係するアシスタントコーチに対する2年間の罰則適用命令。この期間に、キャンパス外でのリクルーティング活動へ参加したり、有力選手や学生アスリートに対して食事をごちそうしたりしてはならない。

・アシスタントアスレチックディレクターに対する5年間の罰則適用命令。この期間に、どんなリクルーティング活動にも参加してはならない。

・適格でない学生アスリートが参加するレギュラーシーズンやポストシーズンへの出場停止

・公表された報告書に詳述される通り、2018-19シーズンの奨学金の削減(大学による自主規制)

・公表された報告書に詳述される通り、後援会の解散

違反委員会のメンバーは、NCAAの会員とその他の有識者から選出される。この事件を調査した委員のメンバーは、ケント州立大学の名誉会長であるCarol Cartwright氏、聴取員長であり、ザビエル大学のアスレチックディレクターであるGreg Christopher氏、元ジョージア工科大学のバスケットボール部ヘッドコーチのBobby Cremins氏、元ミネソタ大学のアスレチックディレクターのJoel Maturi氏、テンプル大学の法学教授であるEleanor W. Myers氏、連邦エネルギー規制委員会の執行でディレクターであるLarry Parkinson氏である。

■JCAのPoint of View

今回の事件から、アメリカのカレッジフットボールにおいて後援者がいかに熱狂的にチームを支援していて、大きな影響力を持っているかが見て取れます。例えば、フットボールの強豪のアラバマ大では億単位の寄付者も珍しくなく、それらの寄付金はチーム施設の拡充などに使われます。しかし、ミシシッピ大では結託したコーチと後援者によって、お金や車などが有力選手に不正に支給されていました。また、テストの成績に関するものなど学業に関する不正も、NCAAの規定では厳しく罰せられます。今回の事件において、コーチと後援者のどちらから不正を働きかけたのかは明らかにされていませんが、大金を寄付する後援者が発言力を持ち、チームに対して様々な影響をもたらすことはしばしばあります。

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