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『選手の青田買いを防止する、NCAAの厳格なルール』

■要約

・オハイオ州立大の元水泳コーチが、学生募集に関するNCAAの規則に違反した。

・違反が発覚した後の本人と大学の対応が素早く、一部緩和された罰則が適用された。

■全文和訳

◎オハイオ州立大の元水泳コーチによるコンプライアンス違反

ディビジョン1の違反に関する委員会によると、オハイオ州立大の元男子水泳部ヘッドコーチは、学生募集の規則に違反した。違反は、有力選手を入学前からキャンパスの近くに住まわせたというもので、委員会は繰り返し違反になる可能性があると警告していた。

この事件は、関係当事者が事実をまとめて、違反委員会に書面にて提出するという処分プロセスで解決された。NCAAのルール実施スタッフ、大学、及びNCAAの参加者は、正式な聴取の代わりにこのプロセスを使用するために、事実と事件の全体的なレベル承認しなければならない。

国外の有力選手は高校のテストの成績が遅れたことにより、秋学期からのオハイオ州立大への入学ができなかった。そこで彼は、オハイオ州のコロンバスに引っ越し、春学期からの入学を待つ間、大学の水泳部で練習を行うことにした。コロンバスで彼は、元アシスタントコーチよって学外の寮を準備され、また水泳部のメンバーによって運動施設やレクリエーション施設の利用を認められ、無料の食事を提供された。元ヘッドコーチもまた水泳施設で有力選手に対し、許可されていないトライアウトを行った。

元ヘッドコーチはこれらの違反に対し、責任があることを認めた。彼は、入学前の有力選手が学内にいることを知りながら、コンプライアンスオフィスに知らせることを怠り、NCAAの規則に則った入学前選手の住まいのアレンジや活動の確保を適切に行わなかった。許可されていないトライアウトへの彼個人の出席もまた、NCAAのコンプライアンスの促進に対する失態である。

この違反は、現行の罰則規定の施行後に発生したので、2013年の会議で承認され、2017年の会議でレベル2のケースの罰則緩和のために適正化された現行のディビジョン1の罰則ガイドラインが適用された。この緩和には、大学の迅速な自己検出と違反の開示、有意義な是正措置の迅速な検討が含まれる。オハイオ州立大は以前、自己報告の違反も犯したことがある。調査には、違反の大部分が無作為であり、限られた範囲で行われたこと、また、その違反を元コーチが迅速に自認したことが記されている。元コーチには過去に重大な違反もない。大学と元ヘッドコーチは以下の罰則に同意した。

・オハイオ州立大に対する公的な警告と弾劾

・2016年10月24日から2週間の学外リクルートの中止(大学の自主規制)

・2016年11月11日と12日の二度の競技会にて、元ヘッドコーチのコーチングの中止(大学の自主規制)

・オハイオ州立大は罰金として5000ドルの支払い

違反委員会のメンバーは、NCAAのメンバーやメンバー外からも選ばれる。

この事件を審査した委員は、弁護士のNorman C. Bay氏、ベルモントのロースクールの学長であり、元アメリカの弁護士であるAlberto Gonzales氏、退職した弁護士であるStephen A. Madva氏、ビッグイーストカンファレンスの副委員長で最高執行責任者であるVince Nicastro氏、北イリノイ州の元フットボールコーチのJoe Novak氏、この事例の聴取官のチーフであり、南カリフォルニア州知事のアドバイザーのDavid M. Roberts氏、プリンストン大学弁護人のSankar Suryanarayan氏である。

■JCAとしてのPoint of View

本件における元水泳コーチの処分に対して、厳しいと感じる方もいるかもしれません。しかし、NCAAでこれほどまでリクルーティングに対して厳しい規定が設けられている背景には、有望選手の青田買い、囲い込みの防止があります。今年、FBIの捜査で明らかになり、男子バスケの強豪、ルイビル大の監督が事実上の解雇に追い込まれた汚職事件では、企業、エージェント、コーチ、選手、選手の家族が関わって、数千万単位のお金が動いていました。大学スポーツがビッグビジネスとして成立しているアメリカでは、有望選手を獲得しようと、奨学金以外にお金や車、住居を提供するなどの不正が後を絶ちません。それらを防ぐために、入学前の選手の扱いには特に厳格なルールが定められているのです。stockfoto_5982099_S1.jpg